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32

「へぇそんなことが…」
「きいちゃん大変だったね」
「私はいいんだけどあっしゅんが…」

早朝の食堂で話すのは堀、北野、純奈の3人だ。
普段は寝坊の常習犯で今頃はまだベッドで休んで射る時だが今日は違う。

これから警察で真実を伝える。
つまり飛鳥の厚意を無駄にするということだ。
これで飛鳥から絶交されるかもしれない。
しかしこのままでは飛鳥は少年院に入り一生を台無しにすることになるだろう。
それに彼女は自暴自棄になっている。


北野は迷いながらも真実を打ち明けることにした。
そう俺が言ったあの言葉によって。




「お前それでいいのか?」
「よくはないけど…。でもあっしゅんが…」
「そのあっしゅんがこのままじゃ少年院だし少なくともここにはいられなくなるぞ」
「そんなの嫌だけど…」
「いいか。こうは考えられなくないか?お前は試されているんだ」
「試されている…?」
「そうさ。これはお前と飛鳥の友情の深さを神様が試してるんだよ」
「何それ」
「バカにしてると思うだろうがでもこれは今後を左右する大事なことだ」
何を言っているんだろう。

でもやはりこれではいけないんだ。
これではね。




「分かったよ。警察に全部話す」
「え?いいのきいちゃん」
「うん。だってこのままあっしゅんが少年院に行くのを黙って見てられない」
「でもきいちゃんいいの?そんなことしたら…」
「いいよ。これであっしゅんを守れるならそれで…たとえそれで嫌われても構わない」

北野の決断に俺は胸をなでおろした。
これでいいんだ。


「ならば明日一緒に行こう。俺も行く。終わらせようすべて」
「はい」

俺は安心して席を立つ。
そして去り際に言った北野の一言は今でも忘れられない。


「いくちゃんの言う通りだったよ」
俺は何も言えぬまま北野が去っていく背中をただ茫然と見つめるしかなかった。
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