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俺らが乗ったハイエースはようやく峠道を越えて平坦な道を進む。
同じ自治体だというのに中心街まで車で1時間はかかる。
村上が文句を言うのも無理はない。

俺は無言な車内がどうも苦手だ。
まあ隣によく分からない人を乗せて運転すること自体初めての経験だしな。
とりあえずラジオをつけよう。

ラジオから流れてきたのは今流行りのアイドルソングだ。
確か練習の時も流れてたし後輩もよく聴いていたなあ。
俺はどっちかと言えばロックとかそういうのが好きだからこういうのはよく分からない。


「何度目の青空か~♪」


俺はふと左側に目をやる。
ラジオから流れる曲に合わせて中田が口ずさんでいたからだ。
もしやこういう曲が好きなのか。
意外に女性のアイドルファンは多いようだし。


「観察官はこういう曲が好きなんですか?」
「へっ?」
「いや。今口ずさんでいたでしょ」
「い、いえ。子どもたちと接する仕事ですので仕事柄こういう知識はないといけないんです」
いやいや違うでしょ。
口ずさんでいた時の表情はかなり楽しそうだったぞ。
まあ仕事上聴いてるのは分かるけど本当は好きなんだな。あの慌てた否定ぶりがそれを表わしている。


ん?

何か複数の鼻歌が聞こえたような。
気のせいか?

いやいや。何か聞こえるぞ。
ダンケシェーン?
小声でも明らかに北野だけのものとは思えないな。



そういうことか。



しばらく走るとコンビニがあったので駐車場に入った。
ブレーキを掛けてエンジンを切ると運転席から降りて後部ドアを開けた。

そして俺は目の前にある木箱を被せてあったブルーシートを一気に剥がした。
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