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「いやぁいい汗がかけたよ」
「私も何か新鮮な気持ちになりました」

ふと空を見上げると星が輝いて見えた。
こんなに星空が見えるとは。

さすがは人里離れた場所にあるだけに絶景だ。
しかもそれを見る生田の表情が何とも言えない。
この喜びは他に代え難いモノだ。



「ところでいくちゃんはあの二人を見てどう思う?」
俺は唐突に質問をぶつけてみる。
生田は最初は唖然としているもすぐに返答してきた。

「そうですね。何か隠しているような…」
「やはりそう思うかい」
「でもあの二人が出会ってからあしゅは本当に誰かのモノを盗む癖はなくなったんです」
「盗み癖がないのにここで戻るというのは何かきっかけがないと出来ないよね。何か心当たりは?」
「それが全然。何であの時仮病を使って街まで行ったかさえ分かんないし」

どうやら何かあったのは間違いない。
俺には分かる。

あんなことがあったからな。

だからこそこのままではいけない。
どうにかしてあの二人を救いたい。
そう思えた。


「いくちゃん。あの二人を何とかしたいから協力してほしい」
「へ?」
「ごめん。でも、どうしても俺はあの二人が抜けだして本を盗ったのには何かワケがあるように思えてね」
「私もそう思うけどどうして…」

どうしてだろうか。
ただその時は昨夜生田が涙ながらに言った一言が俺の脳裏に過った。




「私…。夢を見ちゃいけないんです」

冗談じゃない。


これを機に俺は生田に教えてやりたいんだ。

分かってもらいたいんだ。


誰であっても夢は見ていいんだって。
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