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夜の静かなグラウンド。
ここは元々中学校だったのだと小百合ちゃんから聞いた。
しかし、過疎化や少子化も影響して5年前に統廃合されてしまったそうだ。

野球部もあったそうで道具も粗悪ではあるが残されていた。
これなら簡単な練習もできそうだ。
今日は軽くランニングだけにしておくか。


こうして俺はグラウンド周囲を軽くランニングすることにした。
一人でランニングするなんて自主トレでもなかったな。
いつも若手の選手数人でがむしゃらに走っていた。

こいつらよりいい成績を収めたい。
何としても二軍暮らしから脱却したい。
早く後楽園のドームで試合に出たい。

こんなことを思って走っていたし、汗を流していたな。

思えば俺、今はただの施設の職員なんだよな。
それなのに走っても何の意味があるんだろうか。
もしかしてまだ野球に未練があるのか。
いや。俺は辞めてここで再出発するって決めたんだ。
もう野球はやらない。
今は早くここでの仕事を覚えてやっていかないと。

色んな思いが交錯して走りに集中できない。
俺はふと足を止めた。
そして、ゆっくりと玄関の前の階段に座り込み、ペットボトルの水を一気に飲み干してタオルで汗を拭った。

その時俺は背後に何やら気配を感じた。
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