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「園長。新しい先生をお連れしました」

先生?もしかして俺のことか?
先生なんて生きているなかでそんな風に呼ばれるなんて夢にも思わなかった。
まともに選手とも呼ばれず、毎回呼び捨てでしか呼ばれなかった。
まあ後輩にはさん付けで呼ばれたけど。


「あら?また随分いいカラダつき。さすが元プロ野球選手ね」
ふと振り返った園長はとても横幅が広く何と言えばいいのか。かなり太っている。
しかも男なのは分かるが、完全に女性モノのドレスに厚化粧。
俺は想像していた姿とは程遠い園長の姿にただ唖然とした。

この圧倒感はヤクルトのバレンティンを見た時に感じて以来だ。
あの豪快な威圧感を感じる。
俺はこの時とんでもない場所に来てしまったと思った。


「あっは、はじめまして…」
「自己紹介は結構。だってあんたのプロフィールは大半がここに書いてあるから」
園長はそう言うと今年度の野球選手名鑑を取り出した。

プロ野球選手は毎年春季キャンプの時期に野球選手名鑑が発行される。
選手の経歴、生年月日、出身地に血液型、さらには好きなタレントやら軽い講評まで載せるところもある。

ルーキーイヤーに初めて見た時は本当に嬉しかった。
自分がプロ野球選手になったんだと初めて実感したのもその時だった。



「あらごめんなさい。私が園長の松子です」
「はい。どうぞよろしくお願いします」
「まぁこんなデブなオカマがこの施設のことをグダグダ話しても仕方ないしあとは小百合に任せるわ」

松子園長はそう言うと園長室の後ろにある扉から出て行った。
普通に歩いていくだけなのに何やら振動を感じる。
それが更なる威圧感というかオーラを放っているように思えた。
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